筒井 芳秋さん
これまでの業務経験(キャリア)
私が入社した当時の教育方針は、事務系新入社員については経理部で会社全体の仕事の流れを理解してから事業所へ配属するシステムであったため、 まず経理部に配属になりました。 当時はワープロもパソコンもなかったため経理屋さんはすべて手書きでの仕事でしたが、皆さん字がとても上手で、 「下手でも良いから、読みやすい字を書くように」と言われたのが、最初のカルチャーショックでした。それから上手い人の字を真似して、 丁寧に書くことを心がけたことを覚えています。
次に、火力発電所の事業所で資機材の発注業務をメインに勤務しましたが、頻繁に定期点検が行われており、材料の名称を覚えるのに苦労したことと、 「あの材料いつ入荷する?」といつも急ぎの請求が多く夢に出てくるほど毎日の業務に追われていました。 しかし、時々監督者から「間に合わせてくれてありがとう!」「助かったわ!」と言われると、 陰ながら少しでも「役に立てたのかな?」とか「電力の安定供給に貢献できたのかな?」と嬉しく思いました。 この時期、多くの先輩方に叱咤激励を受けましたが、公私とも現在の私の原点となっています。
その後、本店で長く携わったのが、給与計算・福利厚生などの労務関係の業務です。 この頃は、血気盛んな年代でしたので、先輩・同僚と良くお酒を酌み交わし、会社の将来・労働条件などの会社の制度について 、理想論を熱く語り、議論しあったものです。
その後、当社長年の課題であった「人事・給与システムの再開発」「服務管理システムの開発」などのシステム開発や 「賃金制度の改正」「退職金制度の改正」など大きな制度改正のプロジェクトにも参画させてもらいましたが、若い頃に皆と議論したことを思い出しながらの業務でした。 これらのことは私の中の大変貴重な経験であり大きな財産となっています。
現在携わっている分野や職種
現在は、火力発電所の事業所で総務業務(事務職)のマネジャーを担当しております。 工事に必要な事務手続きを一手に引き受けて行っています。 特に資機材の発注、協力会社との請負工事の契約締結などの業務が多く、指定納入期日までに、正確な品質で、 安価な資機材を調達するのが役割となります。
メンテナンスで使用する資機材は多種多様であり、専門知識の習得には相当な時間を要しますが、 市況単価の動向や商慣行などを考慮しつつ多くの納入会社さんとの調整・折衝が必要となり、折衝が上手く行った時にはやりがいを感じます。
一方、従業員のサポート業務として、経費精算等の事務的な各種手続きや労働衛生関係などを行っていますが、 社内規程・税法等関係法令などの知識と、技術系従業員への気配りが事務系の存在意義であると思います。
また、事業所全体の収支状況や原価管理など各種資料を数値化し見える化を図り、 経営計画値の目標達成に向けて所員一丸となって取り組んでいますが、間接部門(事務系)は直接的にコスト削減には貢献できないですが、 現業部門のサポートをすることで貢献できればと思っています。 現在は次世代の人材育成が喫緊の課題です。
事務系のスキルは、一般的に会計(簿記)、パソコン、英語(語学)が三種の神器と言われますが、 当社の場合は、基本的なスキルも必要ですが、特に健全な心と体、そしてコミュニケーション能力が必要だと思います。 これはどの部門でもいえることですが、一人で業務を行っているのではなくグループで業務を行っています。 仲間と信頼関係を作りお互いを支えあって業務を進めることで総合力を発揮できると思います。
現在の仕事の魅力
当社は、技術系の社員が現場で工事を行って利益を生み出す工事会社です。事務系が直接利益を生み出す会社ではありません。 事務系は現業部門がいかにスムーズに工事が行えるように、バックアップするかが大切であり、裏方的な仕事に徹し「やりがい」と「使命」を見出せるかが鍵となります。 そこで、私が心がけている事は、「人から言われてからやらない。」「言われる前に考えて動く」こと、 仕事の形態がどうしても受け身になりがちなため、「戦術」「改善」「提案」などを考え行動に移して行く、単なる伝票の処理屋になっては駄目だということです。
そのためには、経理・労務や法律関係など幅広い知識と経験に裏付けられたスキルが必要であり、 その上で、コミュニケーション能力とバランス感覚が大切だと考えています。屋台骨が盤石でなければ、頑丈な建築物は建たないように、 事務系が盤石でなければ会社の経営も永続的な成長をすることができません。一人ひとりが「人間力」を発揮し輝けるような会社でありたいと思っています。
電力の小売自由化、発送電事業の分離が進み電力の国内需要は減少傾向にあり、 電力会社間競争の激化が予想され厳しい経営環境ですが、一方で「中部圏」を飛び出し、「全国」へ活躍の場を移すビジネスチャンスでもあります。 さらには海外での発電事業などへの積極的に参画して行けるような、ポジティブでバイタリティのある人財が必要です。
新卒者の方々には、まず何よりも物事に取り組む姿勢が大切であるということです。 自分の目標をしっかり持ちそれに向かって確実に前進する。 個々の能力や経験、覚えるスピードには差があります、それをしっかり自覚して頑張れば将来的に活躍できる環境は広がって来ると思います。