鈴木 直さん
これまでの業務経験(キャリア)
入社後の数年間は、発電所内の事業所に所属し、発電ユニットの電気関係定期点検に携わり発電機の保護装置や配電設備を担当しました。 関係者との調整をしながら作業工程を進め作業の安全と品質管理を行う現場監督者ではありましたが、 経験も浅く協力会社のベテラン社員から教わることが多くて、一緒に作業しながら勉強させて頂いた時期でした。
電気の制御装置を専門に扱うグループが新設され配属されてからは、定期点検中の各発電所に赴いて試験業務を担当しました。 試験装置と計器を用いて各種の発電機制御装置の特性試験を行ない、採取したデータにより装置が正常に機能している事を確認する仕事でした。 学校で習った電気工学実験を現場で実践するようなところが有り、覚えただけの机上の理論を仕事上の実体験で理解でき合点できた事がありました。 電気に関わる技術者として知識を蓄える貴重な体験だったと思っています。 発電ユニットの付属装置の制御盤更新工事で制御盤制作のための設計業務に携わる事になり、制御装置をアナログ式からデジタル式に切り替える仕事にも取り組みました。
電気通信の仕事では、携帯電話が広まるに従いサービスエリアの拡大のための携帯電話基地局建設に参加しました。 建設用地探しから鉄塔を建てアンテナを取り付け通信装置を設置し電波を発信するまでの一連の工事の設計施工を行いました。 高山市の現場で、共同の桑畑を潰すことになりましたと謝りに行ったところ、隣組の飲み代を地代で工面してくれたと感謝されたことが良い思い出です。
その後、直営担当部署では、発電所の設備だけでなく一般企業の工場受電設備など電気設備点検を行い、 古い設備でも使えるまで現役といった徹底的にコストを意識したメンテナンスの実態を知ることができ、その後の仕事の参考になりました。 そのほか人材開発センターなど色々な仕事を経験させていただき、シニア社員として現在に至っています。
現在携わっている分野や職種
現在は、設計と資材の調達および建設までを一貫して行なう事を業務とするEPC技術部に所属し、太陽光発電に関する仕事に携わっています。 太陽光発電の他、バイオ発電などの再生可能エネルギーによって発電した電力を政府が定めた固定価格で買取する制度が出来ました。 この制度を使って、国内でも盛んに再生可能エネルギー発電が行われるようになり、その中でも建設と建設後の維持管理が比較的容易な太陽光発電所がたくさん建設されています。 当社でも、お客様から注文を頂いて関東から中国地方までの広い範囲で太陽光発電所の建設を行ってきました。 また、自社設備としてのバイオマス発電所と太陽光発電所の建設も行っており、太陽光発電所の設計から施工までを担当しています。
太陽光発電所の設計は、用地に合わせて太陽光パネルなど電気設備の配置と主要な電気機器の構成を決め、 通産省など役所関係の許認可手続きを行い、更に電力会社との送電線の接続手続きを行って概要が決定されます。 この後に詳細設計を進めることになりますが、少人数のチームで互いの経験と知識を共有し合って、効率的で品質の高い設計を行っています。 短期間の工程で建設ができるので、用地確認から諸手続き、詳細設計、機器選定手配、現地施工そして系統連系までの設計業務を一貫して経験できる為、 若い設計技術者にとって良い勉強の機会になっていると思います。
再生可能エネルギー利用の先進国であるヨーロッパ諸国やアメリカに比べ、国内の設備容量はまだまだ少なく、開発の余地がたくさんあると思います。 地球環境の保全に役立つ事ゆえ、これからも意欲的に取り組んでいきたいと思っています。
現在の仕事の魅力
我が愚妻が一言「作業服を着ている人は、世の中のお役に立っている人ね。」と言ったことがあります。 車に車検があるように、発電ユニットも決められた周期で定期点検を行なっています。また運転中も不良箇所が見つかればすぐさま修理されます。 電気は、水の様に貯めておくことが難しいので、発電所から消費者に至るまでの設備で電気が常に正しく送られるように、故障が無いように維持されています。 自分たちの仕事がその一部を担い、社会の基盤を支える助けになっているという思いが責任感と充実感を得る力になります。
設計の仕事には終りがないと思うことがあります。 お客様の要求事項を満足することは勿論ですが、自分でこう在るべきだと思う事柄はできるだけ盛り込みたいのでこだわれば切りがないし、 現場に持ち込む前に障害となる問題は解決しておかなければなりません。 しかし、どんなに大変そうに思える仕事も、易しいところから始め、真摯に着実に行なっていけば必ず大きな成果が得られるもので、 そうした仕事の積み重ねが自分の技量を育て自信を待たせてくれます。 若い時期は、経験が浅く知識も覚束ないものですが意欲を持って取り組めば、どんどん知識を吸収し自信を深め高い技術力を身につけられます。 苦労が多ければ実りも多いと言う事でしょう。
会社という大きな組織にいると、たくさんの人とかかわり合う事ができ、色々な経験もできます。 日本の国土の6割は森林であり、愛知県も4割が森林に覆われています。 会社の創立50周年記念行事で行った「ちゅうでんフォレスター育成」に参加した有志で、文体活動にフォレスタークラブを作り、 社会貢献の一環として愛知県の企業の森づくり事業に参加し、県有林で森林間伐のボランティア活動を行っています。間伐を行うことで森林を育成し、 土砂災害を防止でき、生物多様性の有る環境を守ることができます。 何よりも、樹木が発散するフィットンチッドの溢れる森の中での間伐作業は、森林浴も兼ね備え、癒しと安らぎの時間を与えてくれます。 会社の中で、仕事を離れた活動もできますよ。