池田 幸司郎さん
これまでの業務経験(キャリア)
中部プラントサービスに入社して5年間は、火力発電所のタービン発電設備のメンテナンスに従事していました。 初めての蒸気タービンの定期点検の現場では、先輩の現場監督者から現場の整理整頓が安全・品質を支えていることを学びました。 次のガスタービンの定期点検の現場では、自分の目で確認し、自分の手で計測することが自分の答えになるという仕事に対する姿勢を学びました。
定期異動により本店勤務となり、一般企業向けの営業支援案件や中部電力殿の事業化可能性(FS)の検討案件といった機器の点検保守とは異なる分野に携わりました。 営業支援で訪問したお客さまのニーズは多岐にわたり、どういった提案がお客さまに喜んで頂けるか、またFSのために現地の人々とのお話を通じて事業を興すという難しさを経験できた時期でした。
入社後10年を超えたあたりから、一般産業分野へ従事するようになりました。 石油関連設備のSDM(シャットダウンメンテナンス)や設備増強に関わる設計および工事計画も経験しました。 その後に化学プラントの新設工事で他社へ出向し、設計から建設現場の監督も経験できました。 出向先では外国人エンジニアと英会話を通して設計業務を実施することになり、この先の業務の礎となることはこの時には想像もつきませんでした。
中部プラントサービスは、国内のみならず海外へも積極的に挑戦している会社であり、私の先輩方は数年も前から南米や欧州に発電設備の定期点検作業の現場管理や技術支援業務を行っています。
そして現在の私はタイ国バンコクへ駐在し、中部電力殿が出資する小規模発電設備建設工事の現場管理業務に従事しています。 他社へ出向し外国人エンジニアとの業務経験があったからこそ、今ではタイ人スタッフと英語でコミュニケーションを図り、無事故・無災害での工事完遂を目標に、この異国の地でも毎日が勉強と思い奮闘しています。 私の英会話力は未だ発展途上ですが、OJT(On the Job Training)で会話は少しできるようになりました。 英会話は世界との距離を近くしてくれるツールであり、学生のみなさんの海外で働きたいという希望にも中部プラントサービスは応えてくれる可能性を持った会社だと思います。
現在携わっている分野や職種
現在、私はタイ国バンコク市に駐在し、SPP(小規模発電設備)プロジェクト建設工事の現場管理業務に携わっています。 このプロジェクトには中部電力㈱殿が出資しており、コンバインドサイクル発電により生産された電気をタイ発電公社と一部の電気と蒸気を設置される工業団地内の一般ユーザーに供給するものです。 私は中部電力㈱殿のタイ現地法人である中部電力タイランド(以下、CEPT)へ出向しており、このCEPTはプロジェクトを運営する事業会社(以下、オーナー)と設計E・調達P・建設Cに関わる技術分野のコンサルティング業務(以下、OE:オーナーズエンジニアリング業務)を契約しています。
この仕事の特徴は、OEと呼ばれるオーナー側の立場で、発電所建設に関わる設計図書チェックや、その質疑応答コメント、建設を進める上での安全品質活動、そして発電設備機器の工場出荷前検査や現地組み立て記録、その他点検結果記録の確認を請け負うもので、EPCコントラクターと週間・月間の打合せおよび試運転期間になると毎日のように打合せを実施しています。
私はこのOEの組織の中で、建設担当者として現場事務所に勤務し、仮設工事から一部の試運転工事までACMM(Assistant Construction Management Manager)のポジションで、CEPTのタイ人スタッフと機械・土木関連の工事進捗、工事品質チェック、安全環境を実施してきました。
仕事を通してやはり一番大事であると痛感したのが、コミュニケーションです。これは海外だからというものではなく、日本国内でもその重要性に変わりはありません。 今回のプロジェクトサイトはバンコクですが、プロジェクトでは全般を通して会議打合せ、文書発行、連絡等のほとんどで英語を使用するルールとなっています。 業務中のパソコン画面には、常時翻訳ソフトが待機しており、できるだけ意味の通じる英語を使うよう気をつけています。 毎日が英語の勉強です。
現在の仕事の魅力
私はこれまでに他社へ出向し、そこで外国人エンジニアと仕事をともにした経験があったからこそ、今回の海外駐在での発電所建設プロジェクトに参加できたと思っています。 また、これは人員選定当時の所属部署の環境および上司の推薦も後押しとなっています。 誰か他の社員が手を挙げてでも海外に行きたいという状況があれば、今私がここにいる確証はありません。 いろんな事由から得た機会において、一貫した発電所建設工事の経験をさせてもらったことに感謝しています。
感謝の背景には、各部署や事業所間の壁が低いこと、例えば一つの工事案件に対して設計・工事を営業がサポートしています。 さらに海外駐在となれば経理・総務の支援があり、言い換えると風通しが良いということです。そのような一体となって協力しあえる風土が我が社には定着しています。 この出向期間が終了する頃にはチームで達成感を感じていることでしょう。
このプロジェクトの特筆すべき点として、私の他に5人の技術者が現地へ出張し、建設現場の品質向上に大きな役割を果たしてくれました。 設計図書のチェック、コメント、現場確認、技術情報連絡レポート、CEPT技術者へのアドバイスレポート等、我が社の貢献は高く評価されています。
このプロジェクトを通して、一歩足を踏み出して海外で仕事をする経験ができたことは、海外との距離を見ること、また日本の技術水準、安全品質を確認する上で大きな収穫となると期待しています。 そこへ行かなければ分からないこと、知ることができること、たくさんありました。
会社人として入社から今までを振り返ってみると、常に変化する業務内容に、時には困難さを感じることも多々ありました。 これは一般論かもしれませんが、困難であった業務を完了できた時に達成感というものを感じることができると思います。 それがチームでの達成感であれば嬉しさは尚更です。
学生のみなさんも何かの物事に熱くなったり、一つのことをやり遂げた時の達成感が身近な経験であると思います。 これは経験してこそ、その良さを知ることができたのではないでしょうか。